シュマの会とは!!

シュマの会とは!!  1970年12月19日


今回,地団研札幌支部例会に,シュマの会として活動報告を行うことになったのですが,これを機会にシュマの会とはどういう性格のものなのかということについて紹介したいと思います.

シュマの会は現在,教養生を中心に活動しています.シュマの会が誕生したのは,今から5年ほど前(1965年)のことです.当時は学部生が中心で,その名称も化石研と言っていました.その当時の学生が院生となり,教養部に部屋をもった時(1967年)から,シュマの会と名前を変え,活動の中心が教養生となり,今日に至っています.

僕たちは,大学院生の部屋を使わせてもらっていたのですが,今までにいろいろ巡検を行い,サンプルもずい分多くなり,置く所がなくなったり,また,教養生の会員もふえたことから,是非部屋を持ちたいという機運が強まりました.また,今までは地鉱予備軍といった性格が非常に強かった会員の教養生も,今年の一年目は,地鉱へ是非!といった者はいなくて,農・工 etc.と非常にバラエティーに富んできました.そこで,今年の末,討論を重ねた結果,シュマの会として文連に加盟し,そのうちに部屋を獲得しようという方向が確認されました.今後は,教養生の質的変化や部屋の獲得等々で,以前とはずい分性格の違ったシュマの会となっていくと思います.

シュマの会は,このように,教養生が中心になって動いていますが,この他にも,大学院生,学部生,それに社会人も主要メンバーです.シュマの会は単なる学生の好きな者どおしの集まりではなく,そのなかに社会人を含んでいるのが特徴的です.社会にでてから,なおかつ地学を学んでいこうとしても,今日の情勢では,一人でやっていくのは,なかなかむつかしいことです.シュマの会では,このような地学を学びたい人達にも積極的に巡検などに参加できる機会を作り,僕達自身も,このような人達と共に学んでいこうというのを大きな基本精神にして,発足当時から今日に至るまで努力してきました.

ここで,シュマの会が五ヶ山研究にとりくんだ動機と,五ヶ山以前の活動を述べたいと思います.シュマの会は従来,日曜巡検を主にやってきました.そして,その成果を機関誌のfossioに掲載してきました.この他には,学習会,化石・岩石鑑定会なども行ってきました.そしてその年一年間のまとめとしてfossio reportという機関誌を作成してきました.しかし,ただ日曜巡検だけでは,シュマの会としての活動成果なるものが残らないので,どこかfieldをもちたいという願望が起こってきました.それで,今まで日曜巡検でよくいった定山渓か,または面白い化石がたくさん出るという情報の入った五ヶ山をfieldにするかということになったのです.結局,定山渓は難しいので,五ヶ山をやろうということになりました.それで去年(1969年)の9月,泊り込みも含め8人で露頭見取図をつくりました.その時は,教養生,院生,学部生,それに社会人も参加して大変にぎやかに行われました.今年は五ヶ山を中心に,西ノ里,望来,獅子内,朝日,夕張等々を日曜巡検としてまわりました.また十勝団研のナウマン像発掘(6/27~7/03)には,シュマの会の学生の大半が参加しました.シュマの会として,このような団研に参加したことは,会員が地質学というものを学んでいく楽しさをいやが上でも大きくしました.また本年度の日曜巡検では,高校生とも一緒に行い,とても楽しいものでした.

シュマの会は,教養生が活動の中心ですが,教養生は約一年半でいろいろな学部に移行していきます.学部に移ると,教養時代のように自由に活動ができなくなります.そして,また新1年生と2年生が中心となって活動を始めるわけです.もちろん,そこでも大学院生がいろいろ力になってくれます.シュマの会の個人個人の学問的なレベルを考えると大きな差がありますが,このことはたいして問題になりません.共に活動していくなかで,教養生,学部生,院生,社会人は,それなりにいろいろなことを学んでいくのです.だから傍目から見ると,シュマの会は毎年同じことを繰り返しているだけだと思われるかもしれませんが,それはあまりに一方的な見方にすぎないと思います.シュマの会の構成員それぞれが学んだもの,それらを総合的にみたものが,まさにシュマの会の成果なのであり,以後シュマの会を発展させていく上での大きな力となっていくのだと思います.

これまでシュマの会の活動を続けてこられたのも,会員であるなしにかかわらず,教養部における院生の協力,援助,また教養部の諸先生のご指導(助言・援助)があったからだということを忘れないで,これからも積極的に活動していこうと思います.


  • 最終更新:2016-01-07 13:50:48

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